こんにちは。
編入MAP管理人です。
今回は第7回目のインタビュー記事となります。
インタビューさせて頂いた方は、東京農工大学工学部化学〇〇科(身バレ防止のため学科名は非公開)に編入された二郎さんです。

まずは簡単な自己紹介から。

 

mita26

【自己紹介】
・お名前:二郎

・合格された大学と学部名:
東京農工大学 工学部 化学3科のうちのどれか

・編入される前の大学と学部名(詳細を書くのが難しい方は大体で構いません):某工業高専 物質工学科

・編入に挑戦された時の状況(例 専門2年生→大学3年):高専5年→大学3年
名前の通り、ラーメン二郎が好きです。(プロフィールの画像は二郎の三田本店の画像だそうです。)

 

インタビュー

黒字:編入MAP 青字:二郎さん

それでは、これから、編入学試験に関するインタビューをさせていただきます。

まず始めに、編入学試験を受けると決めるまでのことについてお聞きします。

 

Q1、編入試験を受けた目的は何ですか?

高専卒でいたくなかったこと・大卒・院卒の学位が欲しかったこと・実家・地元を離れ東京で暮らしたかったことです。
Q2、編入前の環境への不満(例 学びたい専門科目の教授がいなかった等、なければ「なし」で構いません)はありましたか?

高専は教育がメインで、研究において専門科目を広く学ぶことが出来ませんでした。
また、高専が地方にあったので、産業(首都圏・関西圏)や海外への知見に触れることが出来ませんでした。

 

次に、編入学試験に向けて勉強をされている時のことについてお聞きします。

Q3、編入予備校を利用しましたか?

していません。
Q4、いつごろ編入を意識して勉強を始めましたか?

高専に入学した時から大学へ編入することを考えていたので、専門科目だけでなく、数学や物理、英語や人文系の科目含めて、1年から勉強をしていました。その時から推薦を狙っていて、席次を上げなければいけませんでした。
本格的な勉強は4年の終わり(春休みの研修旅行あたり)~5年の春に始めました。そして6月上旬に合格を頂きました。

 

Q5、選択した試験科目と開始時の学力レベルを教えてください。

推薦受験だったので、
・専門科目→無機化学・有機化学(高専の2年くらいで学んだ反応式、結晶のfcc、bccの充填率を出す)
・英語(長文を読んで、単語や英文を1文抜き出すといった内容)
その後の面接で3学科の教授3人に、試験の出来と英語の能力について聞かれます。
また勉強開始時は、英語は英検2級、工業英検3級、TOEIC450点を持っていました。

M: 農工大の編入学試験の英語については過去問も掲載がなく、対策が難しいようです。これまでの傾向としては、長文を読んでその中に和訳や選択問題があるみたいです。
Q6、その試験科目を選択した理由は?

選択はなかったです。化学3科は強制的にQ5で回答した試験を受けます。
(先輩の話によると、電気や生命工学も同じ様に、高専の基礎的な問題+英語だそうです。)
Q7、実際に使用した参考書を教えてください。

高専の教科書。
高専の化学、物理化学、有機化学、分析化学(自分の高専の研究が分析機器を使うのでその説明に)。
化学計算(モル計算や中和滴定、pHの計算、立方晶の充填率、熱計算などが一通り載っている参考書です)
あと、英語のオーラルの先生に工業英語の短文(新聞記事)をいくつかもらって訳をしていました。

M: 私の地元の高専でも、大学に編入される方が多くいて、高専内の図書館では様々な大学の編入の過去問(ほとんどは理系科)などがコピーできました。独学で過去問の入手が困難な方は、許可をもらって高専に情報を集めに行くのも一つの方法だと思います。

 

Q8、勉強した期間の内訳について教えてください。

・1~4年:普段の科目の勉強。
英検、工業英検、TOEICの受験(高専の規定で、3年までに決まったスコアを取ると4~5年の英語の授業が免除になり自動的に優になるので)
・4年春休み(3月):無機、有機、分析、物理化学の基礎、工業英語の単語を覚える、英文を訳する。
・5年の4~5月:研究室が決まり次第、研究の内容や理論について(何の材料を使い、どう分析してどんな結果にするか)の勉強。英語は↑と同様。
学科の教授と面接の練習。
(この時期に受験の手続き。担任の教授に推薦状・事務に1~4年の成績表・卒業見込み証明書を出してもらう)
・6月上旬に試験と面接。その1週間後に大学に在籍している先輩から合格発表を教えてもらう。
・7月上旬に正式な合格通知と確約書の返信。
Q9、一日の大まかなスケジュールを教えてください。

6時起床、8:45~に授業(5年なので2限から始まる場合は10時~であったり、2限の講義がない場合は図書館で勉強か、英語の先生に質問に行ったり、研究室の装置の立ち上げ)
午後は授業か、研究室にいました。そして18時くらいまで実験した後、たまに同期や他学科の友人の研究室に遊びに行ったり、委員会やサークルの引継ぎで、19時までキャンパス内にいました。20時には帰宅し、夕食を済ませた後、風呂に入って24時まで勉強やネットをしていました。

 

Q10、志望理由書の内容の概要を教えてください。

ありませんでした。
担任の教授が推薦状に書いて欲しいことを聞いてきたので「今の研究分野とその工業化へのプロセスを学びたい。」といった旨を伝えました。あとは使えるソフト(ワード・エクセル・パワポ、分子計算、熱解析ソフト、それらのプログラミング系)と、その理解度を明確にしていました。

Q11、小論文(試験科目にあればで構いません)の対策と勉強方法を教えてください。

試験科目にありませんでした。

Q12、編入試験を通してかかった費用はいくらでしたか?(予備校に通われた方は、学費を除いた費用をお願いします)

受験料3万
交通費5~6万
ホテル宿泊費(2泊):1.5万(受験後の飛行機の便がなかったので翌日に移動)
受験時は10万程度だったのですが、3月の入学者オリエンテーションで交通費とホテル1泊分(7万)出費しました。
以上、計17万くらいですね。
Q13、アルバイトをしていた方は、編入学試験のどれくらい前までしていたのか教えてください。

5月(受験の1か月前)
6月に合格が決まった際に、学業優先で辞める。
Q14、勉強のモチベーションを保つために何かしていたことがあれば、教えてください。
どうしても受かりたい、上に行きたい、学位が欲しい、実家を出たい。
と常に思って1年の時から勉強をしていました。

M: モチベを保つために、自分自身で将来に目標を持つことは、他にインタビューさせて頂いた方々の多くに共通していました。

 

Q15、協力者の存在(家族、教授、友人)はありましたか?また、どのように協力してもらえたのか教えてください。

両親→受験料と受験費用を出してもらいました。
教授→推薦状を書いてくれたり、問題の添削・解説、面接の練習をしていただいた。
Q16、勉強中に苦労したことがあれば教えてください。また、それをどう乗り越えたのか教えてください。

明確な過去問がなかった故、どの分野が出るのか、どの範囲を勉強していいのか不明瞭だった。そのため多少山を張って勉強をしました。(結局試験に出ませんでしたが。)

 

Q17、併願していた大学と学部名を教えてください。

ありません。

Q18、独自の勉強方法があれば教えてください。

1年の時からですが、家、教室、図書館、通学時の電車(4~5年は車)・・どこでも勉強する・できる体勢にしておくようにしました。
(元素や反応式、公式、定数、英語など紙とペンがない時でも覚えられるものは短時間で覚える。)

M: 筆者も常に勉強を意識しましたが、そのために自ら勉強のための環境を作ることは重要だと思いました。
次に、編入学試験が終了した後について教えてください。
Q19、周囲の合格者の方の状況も加味して、合格者が選択した試験科目で最も多かったものは何でしたか?

選択はなかったです。
Q20、編入後の大学の単位について教えてください。

高専の時の単位は、大学では74単位くらい認定されました。それでも不足していて1~2年の専門科目や学科共通の生物や製図の授業を受けていました。
3年の専門科目(必修)もあったので、予想以上にキツかったのを覚えています。

M: 単位取得は編入された多くの皆さんが苦労するようですね。必修科目の単位情報はしっかりとリサーチしておくべきでしょう。

 

Q21、編入試験を受けた目的は達成されましたか?

はい→留年することなくストレートで学位を取って修士で卒業できたので。
Q22、あなたが思う編入学試験の合格の秘訣は何だと思いますか?

高専で勉強してきたこと。その熱意が大学側に伝わったことです。
そして、高専の先輩たちが農工大に編入していて、受験前から情報が得られたことも大きな要因です。

M: 管理人は推薦受験について全く知りませんでした。編入学試験を実施している一部の大学が、高専や短大などに向けて実施しているようです。
Q23、編入学の勉強中に、やっておけばよかったと後悔していることがあれば教えてください。

特にないです。
Q24、編入して感じた良い点を教えてください。

研究設備が充実していること、産学官のネットワークが幅広いこと、他学部の研究を知ることができる(農学部・工学部しかない大学でも)ことです。
Q25、編入して感じた悪い点を教えてください。

授業や教授それぞれに癖があって、点数・単位を取るのに苦労しました。
勉強してわからなくても放置され、そのまま不可にされる。この結果4年になっても再履修した科目がある。
「編入生だから、高専だから・・」みたいな目で見られ、ゼミ等で集中攻撃される(特に英語論文講読)。

M: 大学やゼミによっては、そういった偏見があるのでしょうか?気にしないことが一番であると思いますが、単位取得に関わるとなると重大なことですね。可能であれば、学部内の空気間など、リサーチしておくといいかもしれません。
Q26、編入生同士のコミュニティはありましたか?

入学時に編入生同士顔を合わせるので、そこで連絡先を交換した。編入の先輩も何人かいて、卒業まで交流があった。
他学科の編入の同期とも知り合いになった。
Q27、編入後の大学生活について教えてください。

上記の回答からも解るように楽に合格したのですが、在学中は単位取得に苦労しました。
3年の必修科目を落として4年の研究の合間に再履修をしたり、そのお陰で研究のデータ取りが遅れて先輩や教授に怒られることも多々ありました。
サークルも3年から入りましたが、↑の単位取得に忙しくあまり馴染めなかったこと、3年の後半に研究室決めがあり、そちらを優先しなければならず退部する結果となりました。

M: 大学生活では周りに多くの選択肢がある一方で、時間が限られています。自分の生活には何が必要なのかを見極め、取捨選択することが重要だと思います。

 

Q28、就職活動をされている方、終えられた方へお聞きします。編入学と就職について、あなたの率直な意見をお聞かせください。

自身は景気の良い時に内定を頂いたので、就活はとても楽でした。修士1年の10月に就活が解禁され、エントリーすればすぐに案内が来て、色々な会社(大手メーカー)の説明会に参加して、その中で興味のある数社を受験しました。
英語が苦手なので外資は落ちましたが、納得のいく都内のメーカーに就職しました。
就職後も高専卒の先輩、大学のOBに可愛がられ、今も交流があります。
その後、近年の社会情勢により統合され経営方針が変わり、今はその会社に在籍していませんが、良い時代・良い会社に入れたと今も思います。

 

Q30、編入を経験したあなただから言える一言を教えてください。(座右の銘でも、誰かの名言でも構いませんが、あなたの考える名言をいただけたら幸いです。)

「苦労は買ってでもしろ。後から自分の為になる」っていうのは嘘です。楽して楽しく過ごした時期が一番プラスになります。
結局、楽しかった時期が一番自分の支えになります。
高専の頃は決して優秀ではなかったですが、学力や人格がクラスや教授に受け入れられていたこと、サークルや委員会を通して他学科の同期や先輩、教授にまで顔を覚えられて色々可愛がってもらえた5年間がプラスに響いています。
過去問やレポートを回してもらい、楽に点数を取るような勉強をしていましたが、この時が一番勉強に向き合っていました。自分のために、教えてくれた教授や他学科の同期、後輩に還元するために授業内容の改善やわかりやすいポイントを教えていました。

一方、比較的楽に編入試験に合格して、いざ編入したら勉強も研究も上手く行かなかったこと、リアルとネットで何度もバッシングされたこと、ストレスで何度も吐いたこと、学内相談室に話しても取り合ってもらえなかったことを今も思い出します。
結果「学位」は得られましたが、この苦労にはマイナスの感情しか感じられません。
自分自身の選んだ道ですが、どこかで認められ受け入れられていたら・楽しめたら、この苦労もプラスになったのだと思います。

M: 大学時代は苦労が多かったのですね。私も編入学に対する努力が報われなかったことに対してマイナスの感情があります。しかし、結果として多くの苦労を乗り切ったという事実はプラスになっているのではないでしょうか!

 

最後に、編入学全体に関するご意見、これから編入をしようとする方へのメッセージをお聞かせください。

Q31、編入学希望者に向けたメッセージお願いいたします。

勉強や研究の他に、大学での生活を通して、今の日本における教育の裏側(問題)を見ることになるかと思います。
自身や他人の為に、自分の考えを持って行動してみて下さい。

Q32、その他(なんでも構いません。こんな質問増やすべき、編入中に考えていたこと、伝えておきたいこと、編入MAPに対する要望、編入に関係のないことでも構いません。)

インタビューのご依頼、ありがとうございました。久しぶりに10数年前のことを思い出しました。
ブログのフランス文学、筑波大学の方の回答を読んで、とても優秀だなと感心しました。
特に英語は、自身が高専の時はほとんど授業を聞いていませんでした(寝るかレポート内職)。その分大学に入ってから苦労しましたが
就職して会社の教育プログラムで英会話・TOEIC講座を受講してTOEICのスコアを上げ、海外メーカーとの取引・海外SVへのプレゼンや説明ができるまで勉強しました。当時は他分野の仕事を覚えるのに必死で、不思議と英語は嫌じゃありませんでした。
・・大学の時の苦労なんか為になってないじゃん!

M: こちらこそインタビューに答えて頂き有難うございました。今回初の社会人のインタビュイーである二郎さんのインタビューは、管理人も一学生として勉強になることが多かったです。

~インタビューでお聞きした内容は以上です~

東京農工大学 工学部の編入情報はこちらから→http://www.tuat.ac.jp/admission/nyushi_hennyu/youkou/http://www.tuat.ac.jp/admission/nyushi_hennyu/youkou/

 

編集後記

今回は二郎さんにインタビューさせて頂きました。改めて、ご協力いただき有難うございました。

私事ですが、実は管理人も、二郎系ラーメンが大好きなんです。

インタビュー編集中に、二郎さんが送ってくださった画像を見るたびに「食べたいなあ…」って思ってました笑。

そして先日、栃木県にある、知る人ぞ知る二郎系「寿々㐂(すずき)」に友達と車で行ってきました。

ラーメンすずき

二郎系が好きな自分からすると、非常に満足のいく一杯でした。

 

しかし、何といっても遠かった。。。笑笑

時間やら、交通費やらを考えると、近くの二郎に行こうってなりますかね笑

でも、非常に美味しかったのでよかったです!

 

それでは今回はここまでとなります。

次回のインタビューもお楽しみに!
今回のインタビュー記事を見て、何か要望があれば、コメントからお知らせ下さい。今後の記事の作成に活かしていきたいと思います。
現在、多くの方から、ご回答いただいた編入のインタビューを編集中です。
返信が遅くなっています。大変申し訳ありませんが、必ず返信いたしますので、もうしばらくお待ちください。

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